第七話 言い訳
「久しぶり」
「よぉ、レクシー元気か?」
「元気よ、あなたこそ元気なの?」
「この前はすまなかったな」
「ずっと待ってたわ」
「そっか悪かったなっ、言い訳させてくれ」
「王宮の騎士さまには、わたしみたいな貧乏人どうせ・・・」
「いや違うんだ聞いてくれあの日、急な任務で駆け付けたら
どんでもない鬼みたいに強い冒険者に返り討ちにあって
気が付いた時はみんな病院のベットの上だったんだよ」
「え、そんな言い訳・・・、ある?」
「近衛の騎士団が全滅する?」
「それが、あり得るんだよっ、それでも手加減してくれたみたいで
命が助かって良かったて医者に言われたよ」
「ほんと・・・なの」
「あぁ」
「心配したんだからね、あなたが急にいなくなっちゃって・・・」
「だから今度、またさ」
「じゃぁ、こんどお詫びに剣術を教えなさいよっ」
「け、剣術って」
「わたし剣術を習ってるのよっ」
「そっか、そりゃ凄いな」
しばらくして
レクシーのお使いは終わり、裁縫師ギルドにて接客中
「お嬢様、わざわざお越し頂きありがとうございます
ご注文を頂いたお洋服が出来ております」
ココモ「わぁ、楽しみです」
レドレント「宝石商の娘さんも大変ねえ、たまには家でのんびりしたら?」
ココモ「欠席なんてできませんよ・・・」
「だったら、さっさとお嫁にいっちゃえば?・・・いるでしょ?」
「も、もう!わたし帰りますね、お洋服をしたててくれてありがと」
つづく
第六話 剣術士ギルド
「お世話になります、レクシーと言います」
剣術士ギルドマスター
ミラ「話はルルツから聞いている
まずは剣術ギルドの門戸を叩いた事を歓迎する」
「剣は世界で最もシンプルな武器だ
だからといって誰もが簡単に扱える武器だと
思っていたらそれは大きな間違いだ
どうだ? 剣術を極める覚悟があるのか」
「はい、ありますっ。がんばりますっ」
剣術の基礎の基礎から説明を受けるレクシー。
しばらくして
ミラ「さっそくだが、お前の素養を試させてもらおう
門を出たところにいる
マーモットとホーネットを3匹ずつ倒してこい」
「えっと、ひとりで?」
「もちろんだ、さっさと行け」
「はっ、はぁー」
こうして、レクシーの長い冒険の始まりがスタートするのであった。
翌日
レドレント「レクシー、あなたに頼みたい事があるの
コットンスカーフとコットンシュパードスロップを
こちらのお客さまに、ご用意して差し上げて」
「はい、かしこまりましたマスター」
「よろしく頼んだわよ」
レドレント「レクシー、今度はお得意様の宝石商からドレスの
ご注文よババワイさんの所に行ってオーダーを聞いてきて頂戴っ」
「はい、かしこまりましたマスター」
ララフェル族の男性「さようワシがババワイだが、・・・
そうそうこの娘のためにドレスを作って欲しいのだ」
「はい。お任せくださいませ」
つづく
第五話 交わらぬ心
駆けるリクシー。
「やばい、遅刻しちゃう」
「はぁ~、いそげ~」
「あぁ。間に合って、後ちょっとよ」
レクシーは何とかぎりぎりで間に合った。
「はぁ~眠いでも、今日もがんばるよ」
レドレント・ローズ『あの娘、大丈夫かしら・・・』
しばらくして
お昼休み
政庁層
「あの、いつもあそこにいた騎士さんは?」
恰幅の良い騎士「あぁ・・・、あいつか・・・今日は来とらんな」
「お休みですか?」
「いや、聞いとらん」
銀甲冑団の女騎士「ここから先は王宮よ」
「はい、すみません」
「一般人は遠慮してくれ」
「あの・・・」
「何か」
「いえ、何も」
銀冑団本部前
近衛騎士「この先、部外者立ち入り禁止だ」
「あの、人を探してて」
「人探しは冒険者ギルドが専門だ、ここでは取り扱っていない」
「冒険者・・・」
「そうだ、あいつらなら金払えばなんだって・・・」
レクシーは目に涙を溜めていた。
近衛騎士はそれ以上、何も言わなかった。
その夜
ルルツ「おや、初めての方ですねぇ?
そんなあたなには、剣術士ギルドについて
ちょちょいっと説明しちゃいますよぉ~」
「こんな私でも、剣術を習う事は出来ますか?」
「う~ん、・・・そんな感じで、やる気まんまんになったら
ぜひぜひ、剣術士ギルドにご入門、お願いしま~っすぅ」
受付の女性の話しは長かった。
レクシーは剣術士ギルドを訪れた。
通勤途中にあったという単純な理由からだ。
裁縫師になる夢を諦めた訳ではない。
勤務時間外に剣術を習う事にしたのだ。
そうそれは、
少しでもあの騎士に近づく為に。
つづく
第四話 お使い
エーセルワイン「レクシー、錬金術師ギルド行って来てくれるかい」
「えぇ、解りました」
「草糸300、綿糸200・・・・、頼んだよ」
「はい♡(よろこんで)」
入口の案内係「おや、レクシーお使いかい?」
「はい、錬金ギルドまで♡」
「なんで、楽しそうなんだ」
「え、まさかぁ、そんな事ないですよ」
「あ、解ったっ」
「なんですか?」
「ふふっ」
錬金術師ギルドは性質上、政庁省を抜けた奥にある為
銀冑団というナナモ陛下の近衛兵が警備に就いている。
銀冑団の若者「よ~うっ、レクシー。またお使いだな」
「はい~、もう人使い荒くてw」
「ははっ、どこも同じだな」
「お、そうだ。今夜、時間あるか?」
「えっ、あ、あるよ」
「18時にクイックサンドで待っててくれないか」
「私も色々と忙しいんだよね」
「今、あるって」
気安くデートに誘う若者。
照れるレクシー。
「じゃぁいいよ、解った」
「ほんとか?」
「うん、特別っ」
「おっけ、じゃぁ、仕事がんばれよ」
「うん♡」
楽しそうに手を振るレクシー。
錬金術師ギルド
「裁縫ギルドですけど」
エスメネット「はいはい、ご注文の品ご用意できてますよ」
「草糸300、綿糸200、レザー10で間違いないですか」
「・・・そ、そうです」
あれレザーもだっけ、まぁ良いかっとレクシーは思った。
「大丈夫ですか、持てますか?」
「それくらいバックに余裕で入りますわ」
しばらくして
ET18:00
ET20:00
その日、銀冑団の若者は現れなかった。
つづく
第三話 裁縫師ギルド
「先輩、よろしくお願いします」
「班長のジュリアナよ、よろしくね。
先ずはあなたの制服を用意するわ」
「はい」
「隅でメモ取ってるララフェルの娘に聞いて」
「これを私に?」
灰髪のララフェル「そうよ、今この色しか無かったわ」
「ありがとうございます~」
「勘違いしないでね、貸してあげるだけよ」
「え、あっはい、大切に着ます」
数日後
「レクシー、お客さん!ちょっと接客してくれる」
「あっはい、解りました」
「いらっしゃいませ」
「いや~ん、ダメダメッ!服のコーデが決まらな~い!
イエロー・ムーン、困っちゃむ~ん!」
「お客様、黄色がよくお似合いですよ」
ルガディン族、自称アイドルのイエロー・ムーンさん
裁縫師ギルドのお得意様であった
「レクシー、サンシルク行ってオーダー貰ってきてっ」
「あ、はい、行って来ます」
裁縫師ギルドの直営のフラッグシップショップ
織物「サンシルク」
エーテライト・プラザの直ぐ近く
エメラルドアベニューの大通りに店を出している
裁縫師ギルドもこの店も元締めは東アルデナード商会である
店長のリアーヌはレクシーのママとも知り合いである
「オーダー受け取りに来ました」
「レクシー、どう?仕事は慣れた?」
「はい、慣れました」
「そう、今度ゆっくりね」
「はい」
「あら、可愛い・・・何かしら」
セーラーララフェル「えっ、私のミニオンが気になるの?」
「ミニオン?」
「ペットの様なものよ、あなたも探してみるといいわよ」
サファイアアベニュー国際市場
「フリードさん」
素材屋「よぅ、レクシー、元気か?」
「ママは元気でした?」
「おう、相変わらずな
お前も元気にしてるって伝えてやったぜ」
「ありがとう」
「なんかあったら直ぐ伝えるからよ、心配すんな」
「はい」
つづく
第二話 ウルダハ
砂の都ウルダハ
ここはナナモ新門、
第17代目国王ナナモ・ウル・ナモの名が冠される
物流の中心地として発展し噂を聞きつけ一攫千金を夢見る人々が集まる街
近年、帝国軍の侵攻でもたらされた難民の流入によって治安が悪化している
ナル回廊、通りが何やら騒がしい
喧嘩の様にも見えるが観客の輪に入って様子を伺うと
一向に闘いが始まる事はなく仲間同士のじゃれ合いの様に思えた
何やら呼び込みの様、話を聞いてみる
ララフェル族の男「大盛況のコロセウム会場はこちらでござ~い!
今日の注目は、麗しの剣闘士フランツ!
人気急上昇中の、美形剣士だよ~!」
闘技場があるのか富裕層が賭け事を楽しむ場所だ
高額の観戦チケット販売する呼び込み達を無視する
ザル回廊、都市の内周であり大きな建築物の内側になる
中心へ向かって進むと警備員が立っていたので道を尋ねる
「裁縫ギルドへ行きたいのですが」
銅刃団の男「この階段を上がって真っ直ぐ進め」
「解りました」
「寄り道はするな」
レクシーは会釈をする
銅刃団は商人達がお金を出し合い雇っている自警団だ
裁縫師ギルドらきし看板があった
受付の女性に聞いてみる
「裁縫師ギルドはここですか?」
「そうよ、ご注文かしら?」
「いいえ、ロマンヌさんはいますか?」
「その身なりだと見習い希望かしら?」
「はい、そうです」
「そう、がんばりなさいな」
「ありがとうございます」
「私がロマンヌよ」
「あの・・・、フリードさんの紹介で」
「聞いてるわよ、レクシーね」
「はいっ」
「来てくれてありがとう、助かるわ」
「よろしくね、がんばるのよ」
「マスターに挨拶なさい」
「はい」
え、なに
こ、怖いっ!
「私は、レドレント・ローズ、
この裁縫師ギルドのマスターをしているわ
美しすぎちゃって、時々踊り子に間違えられるのが悩みよ」
「は、はぁ」
「ここで作られる服はウルダハ・・・いえ
エオルゼア中の流行を左右すると言っても過言じゃないわ」
「は、はいっ」
「がんばりなさいよ」
「がんばります!よろしくお願いしますっ」
つづく
第一話 旅立ち
名前はレクシー
ミコッテ族、ムーンキーパー種の女性
彼女はウルダハのフロンデール薬学院小児病棟で育った
この施設には難民孤児が多く孤児院として知られている
施設の支援でここ西ザナラーン・シルバーバザーにある
織物屋の女将さんに引き取られた
レクシーと言う名はここのママが付けた仇名である
ママはヒューラン族の女性
女手ひとつで私を育ててくれた
妹は同じ孤児院にいたララフェル族
見た目と年齢が一致しない彼女
一応、年下という事にしてあげてる
今年で自称18歳になった私は
店番を妹のレミリアに任せて
ウルダハの裁縫師ギルドへ修行に出る事にした
ご贔屓の行商人からギルドマスターに話を付けて貰ったのだ
この町の若者でよく一緒に遊んだ男性が声を掛けてきた
「よぉレクシー、お前ウルダハに行くんだってな」
「う、うん」
「寂しくなるな~」
「ずっとじゃないよ、2,3年のつもり」
「そっか、まぁ頑張れよ」
「ありがと」
シルバーバザー組合長宅
「お前も、もう18か、大きくなったな」
「はい」
「女将の事は気にするな、お前の人生はお前で」
「いえ、私はママに恩返しを」
「まぁそう、焦るな」
「は、はい・・・」
「世界は広い、それにまだ帝国との戦争も終わってはいない」
「はい」
「気を付けてな」
「はい、ありがとうございます」
数日後
「レクシー、今日発つのか?」
「うん」
「父親代わりの俺からも選別だ、取っておけ」
「そんな」
「その金で、チョコボに乗って行け」
「ありがとう、大切に使うよ」
「くびになったら、いつでも戻って来いよ」
「うん」
「その時は船頭になれ」
「あはは、嫌だよっ」
目に涙を溜めながら笑うレクシー
「ウルダハまでいくら?」
「ウルダハまで15ギルさ」
「じゃ、はいこれ」
「毎度あり、チョコはウルダハのポーターに返却してくれ」
「解った、どれくらいかかる?」
「こいつなら30分もあれば着くさ」
つづく