第五話 交わらぬ心
駆けるリクシー。
「やばい、遅刻しちゃう」
「はぁ~、いそげ~」
「あぁ。間に合って、後ちょっとよ」
レクシーは何とかぎりぎりで間に合った。
「はぁ~眠いでも、今日もがんばるよ」
レドレント・ローズ『あの娘、大丈夫かしら・・・』
しばらくして
お昼休み
政庁層
「あの、いつもあそこにいた騎士さんは?」
恰幅の良い騎士「あぁ・・・、あいつか・・・今日は来とらんな」
「お休みですか?」
「いや、聞いとらん」
銀甲冑団の女騎士「ここから先は王宮よ」
「はい、すみません」
「一般人は遠慮してくれ」
「あの・・・」
「何か」
「いえ、何も」
銀冑団本部前
近衛騎士「この先、部外者立ち入り禁止だ」
「あの、人を探してて」
「人探しは冒険者ギルドが専門だ、ここでは取り扱っていない」
「冒険者・・・」
「そうだ、あいつらなら金払えばなんだって・・・」
レクシーは目に涙を溜めていた。
近衛騎士はそれ以上、何も言わなかった。
その夜
ルルツ「おや、初めての方ですねぇ?
そんなあたなには、剣術士ギルドについて
ちょちょいっと説明しちゃいますよぉ~」
「こんな私でも、剣術を習う事は出来ますか?」
「う~ん、・・・そんな感じで、やる気まんまんになったら
ぜひぜひ、剣術士ギルドにご入門、お願いしま~っすぅ」
受付の女性の話しは長かった。
レクシーは剣術士ギルドを訪れた。
通勤途中にあったという単純な理由からだ。
裁縫師になる夢を諦めた訳ではない。
勤務時間外に剣術を習う事にしたのだ。
そうそれは、
少しでもあの騎士に近づく為に。
つづく