第一話 旅立ち
名前はレクシー
ミコッテ族、ムーンキーパー種の女性
彼女はウルダハのフロンデール薬学院小児病棟で育った
この施設には難民孤児が多く孤児院として知られている
施設の支援でここ西ザナラーン・シルバーバザーにある
織物屋の女将さんに引き取られた
レクシーと言う名はここのママが付けた仇名である
ママはヒューラン族の女性
女手ひとつで私を育ててくれた
妹は同じ孤児院にいたララフェル族
見た目と年齢が一致しない彼女
一応、年下という事にしてあげてる
今年で自称18歳になった私は
店番を妹のレミリアに任せて
ウルダハの裁縫師ギルドへ修行に出る事にした
ご贔屓の行商人からギルドマスターに話を付けて貰ったのだ
この町の若者でよく一緒に遊んだ男性が声を掛けてきた
「よぉレクシー、お前ウルダハに行くんだってな」
「う、うん」
「寂しくなるな~」
「ずっとじゃないよ、2,3年のつもり」
「そっか、まぁ頑張れよ」
「ありがと」
シルバーバザー組合長宅
「お前も、もう18か、大きくなったな」
「はい」
「女将の事は気にするな、お前の人生はお前で」
「いえ、私はママに恩返しを」
「まぁそう、焦るな」
「は、はい・・・」
「世界は広い、それにまだ帝国との戦争も終わってはいない」
「はい」
「気を付けてな」
「はい、ありがとうございます」
数日後
「レクシー、今日発つのか?」
「うん」
「父親代わりの俺からも選別だ、取っておけ」
「そんな」
「その金で、チョコボに乗って行け」
「ありがとう、大切に使うよ」
「くびになったら、いつでも戻って来いよ」
「うん」
「その時は船頭になれ」
「あはは、嫌だよっ」
目に涙を溜めながら笑うレクシー
「ウルダハまでいくら?」
「ウルダハまで15ギルさ」
「じゃ、はいこれ」
「毎度あり、チョコはウルダハのポーターに返却してくれ」
「解った、どれくらいかかる?」
「こいつなら30分もあれば着くさ」
つづく